2月13日 午後2時半 家
経緯:一人ではまともに料理できない・カトレヤ・、初めての手作りバレンタインに不安が募る細野春希が一緒にバレンタインプレゼントを作る会を発足。前日2月12日の夜、ランニングをしていた細野春希が道端で道明寺琴音に出会い、翌日とバレンタインの準備をすると立ち話。急遽道明寺も参加することになったのである。
「す、すごい量ですねカトレヤ。」
「これ、材料買いすぎだろ。」
「せっかく作るんだから自分用にもつくろうかと計算したら小麦粉5キロ、牛乳2リットル、生クリーム1000ml、砂糖3キロ、卵25個、ベーキングパウター缶2つ、板チョコ45枚、ココア3キロという結果が出た。」
「カトレヤあなたどれだけ自分用に作るつもりですか?」
「このカロリー爆弾チョコケーキをホールで5つ。オーブンは2つあるからノープロブレム。」
「何だこれ。ケーキ一切れ1200キロカロリー!?聞いただけで鼻血が出る。」
「幸村さんにはホールを一つ差し上げるんですか?」
「そう。あとこの蝋燭のデコレーションが肝心。」
「「・・・・これは斬新ですね(だな)。」
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「琴音は真田にマフィンが恒例だよね。」
「はい。今年はクランベリーマフィンです。一つはドッキリで弦一朗さんの好きなナメコ汁味に初挑戦してみます。」
「げェ!気持ち悪ッ!」
「ナメコ買ったのか・・・?」
「はい!八百屋さんで一番新鮮そうなものを手に入れて参りました。あとこの牛肉も新鮮ですよ。」
「牛肉って何に使う気!?うわー肉臭い!」
「牛肉はミンチにしてガーリックと炒めた後トッピングの生クリームに混ぜます。」
「「・・・・・。」」
「ふふ、美味しそうでしょ?」
((・・・・真田、ご愁傷様。))
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「春希はプラリネチョコレートか。トリュフとか?」
「ああ。一番簡単で美味しいって麻紀から聞いたからそれと、あとクッキーを焼こうかと・・・。」
「正統派ですわね。」
「うん、琴音のよりは確実に。」
「カトレヤ何か仰りました?」
「いえ、何も。」
「春希さんの恋が実るように私道明寺琴音、精一杯お手伝いさせていただきます!」
「もう実ってるようなものだけどね。」
「!」
「照れない照れない。クリスマスも一緒に過ごしたんでしょ?」
「な、何で知ってるんだ?」
「柳生さんが幸村さんのお見舞いにいらしていた時に話されていましたよ。カトレヤと私、それに仁王さんも病室に同席していました。」
「春希と一緒にイブを過ごしたんだって話してる時の柳生、ずいぶん幸せそうに笑ってた。」
一緒に過ごせて幸せだと思っていたのは私だけではなかったんだ。
「ふふ。それは本当に聞いているこちらが照れてしまいそうなくらい。」
バレンタインに、彼はその表情を私に見せてくれるのかな。
「さて、では始めましょうか。」
「はーい。」
「よしッ!」
バレンタイン。
乙女が好きな人に、沢山の想いを込める1年に1度のイベントがすぐそこに迫っている。
HAPPY Valentine's Day!