止まってしまった銀時計

認めなければならない。

恐い。
恐くない。

死ぬのが、恐い?
恐くない。

知るのが恐い?
もう知っている。

認められる?


うん。


「悪あがきはいいかげんに終わりにする。」

例えば10年前に全てを知ることになっていたのなら、私は死ぬまで自分に嘘をつき続けそして命を終えていただろう。恐怖に目を瞑り全てを否定しながら殻に篭っていた。

でも、全てを知ったのは死ぬ目前の今。受け入れて、苦しみ死ぬまでの日々はそう多くない。もうすぐ死ねるからこそ受け入れられる真実。そんなものもきっとある。

私は自分に背を向けたまま、自分という人間を受け入れずに死にたくない。

たとえ、友人や恋人に全てを否定されても。




私が私であることを、誇り認めることが出来るのは私だけなのだから。