「ククク・・・。笑えるねぇ。まさか噂の幻影旅団が本物のジュエルを見極め違うなんてさぁ☆」
放心状態の空気にヒソカが釘をさした。
「君たち、知らなかったんだろう。にレアっていう双子がいたなんて♪」
双子・・・。
は流星街で自分の家族の話をしたことがない。聞いても家族はみんな死んだ、とそれしか答えなかった。
家の戸籍にも娘は1人としか記されていない、とシャルが報告で上げている。
「う・・・うそよ!そんなのそいつらの嘘!!」
後方で相変わらず地面に座り込んだ、ヒソカにレアと呼ばれた女が叫んだ。
昨日までいつくしむように愛した俺のが。
「家は金のためなら何でもすると有名な一家だったようだし☆
娘の一人はオッドアイの美貌ゆえ売り飛ばす予定だったらしいから戸籍には双子と記さなかっただけさ♪それが君だった★」
そんなことどこで、と口を挟んだシャルにイルミが相変わらず厳しい表情を向ける。
「の両親の日記。の一家殺したマフィアの生き残りの家から見つけた。
家殺害に加担した生き残りのマフィアからの証言もある。そいつ事情でハンター協会に匿われてたから見つけるのは容易じゃなかったけど。」
レア・・・・
この女を俺は、俺達はだと愛してキタ?
2年まえのあの日から今日までではなくてレアが俺の恋人だった?
イルミが投げた石は形も、血をぬぐったあの蒼さも俺が遠い昔にに渡したものに違いなかった。
そして寸分なくパクノダの記憶を読む能力から考えても。
「パク・・・本当か?」
情けない抑揚のない声を漏らした。
こんなのが消えた日依以来だ。
胸に穴が開いたように何も深く考えられない。
俺がこの2年愛した女はじゃ・・・ない?
本当のをここまで傷つける命令を出したのが俺?
パクノダは相変わらず真っ赤な胴体を両手で抱きしめて、一つ頭を大きく縦に振った。
「はい、じゃぁ皆さん。事情も分かったところでソコどいてくれるかしら。の体治療するからねー。」
ルノーが俺のかがんでいた場所を奪ってにオーラを送り始めた。
料金は馬鹿高いが腕はいい、完璧には治らなくてもある程度のところまでは細胞も構成しなおすことが出来ると思う。
ヒソカがルノーと一緒だったのは運がよかったのか・・・もしくは。
ルノーがの顔面を治療し始めて5分、拷問で潰されたブルーレースが輝きを取り戻した。
虚ろな目は、動かない。まるで死ぬ寸前の動物のように静かな呼吸で、涙だけが止まらず流れ続けている。
「、ルノーが運良くヒソカといたのはこれを信じてたおかげかもね。」
読んでみて、と数ヶ月前にムリヤリ渡された聖書を胸元から取り出して彼女に返した。
マンダリンガーネットとブルーレースが一瞬優しく揺れてまた動かなくなった。
そして天井から漏れる光にいまだ憧れを抱いているように、ゆっくりと目を閉じた。
クロロには目を向けることもなく。