(ラブラブ度0です。ギャグにもならないかも…)









おじいちゃんの日課



常春のセフィーロと言われるが、かすかな気温変動は存在する。

少し寒くなったかな、という頃にお城に設置されたのはチキュウ出身の魔法騎士の意見を取り入れた露天風呂。

混浴だが水着着用で気兼ねしないのもあり、大盛況。

毎日様々な時間帯に人が温まりに来る。

しかし深夜ともなればその人数も限られ、2時以降の常連はこの国の導師だけとあって彼に丁度いい温度に設定されている。

そんなこと露知らず、昨日遊びにきた魔法騎士3人は露天風呂完成のニュースを聞きさっそく深夜のお風呂を楽しみにきたのである。







「露天風呂なんて久しぶりだなぁ。」

「そうですね、わたくしも最後にいったのは中学生のころです。」

「日ごろの大学勉強の疲れを落さなきゃね!」

さっそく水着に着替え、露天風行きのドアをあけると吹き込む湯気が肌にあたり気持ちいい。

「すごーい!海ちゃん、風ちゃん大きいね!」

「そうね、星空もこんなに近く見えるし素敵だわ。」

「ではさっそく参りましょうか。」

風が足のつま先をお湯につけた瞬間、体をびくつかせた。

「風?どうしたの?」

「このお湯、わたくしには熱すぎるかもしれません。」

「どれどれ・・・。」

こんどは私が風と同じリアクションをする番、

「何これ!こんな熱いの入れないわよ!」

「本当だ。熱すぎるね。」

「こんなの入れるのなんて70、80のジジババくらいよ。」

はッっとした風が口元に手を当て何かを考え始めてる。

「海さん、わたくし心あたりが・・・。」





風がキョロキョロ見回した視線の先に、平泳ぎで水を掻く薄紫色の少年がいた。








04.10.2010