(小ネタです。小ネタ)
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夜の侵入者
カサカサ・・・
カサカサ・・・
微かな物音に気づいた神経がこわばりその鋭さを発揮した。
暗闇に目を慣らしてあたりを見渡すが、人影はないし生命体のオーラすら感じない。
隣からはまだ寝てる恋人のゆっくりとした吐息が聞こえる。
気のせいかな。
また剥がした布団を肩まで引き上げたと同時に
カサ・・・カササ・・・。
さっきの物音が近づいてくるこの悪寒は間違いなく彼!!
「ギャーぁ!!!」
まるでこの清楚な女性から放たれのを疑いたくなるようなハシタナイ叫び声が屋敷中に木霊した。
「…、うるさいんだけど。」
叫び声に起こされた部屋の主はだるそうに上半身を起こし講義の目で訴える。
「イルッ!!!ゴキブリ!はやく殺してー!」
はぁ、っと溜息を一つ吐き、物音のするほうへ向かうイルミ。
一瞬髪が横に揺れたのは、彼が目にも留まらぬはやさで黒光り昆虫をしとめた証。
「ありがとー、イルミ。これで安心して寝れ・・・。」
グルリと体を180度回転させた恋人は、表情のない顔の目の前に何かをつまみ上げていた。
彼の親指と人差し指がつかむもの、それはゴキの前足第一関節、もちろん胴体のおまけつき。
イルミ…ソレをブラブラ揺らして何が楽しいのかな。
「ね、寝ぼけてる?」
気づけば布団をこれでもかと握り締める手が汗をかいてた。
イル、汚いッ!!!!!
イルミはソレを窓からポイと放り投げて、もう一度寝るためにベットへ向かおうと足を進めてくる。
「来ないでー!」
枕が2人分飛んで来た。
04.12.2010