gift
いつの間にか来たらしい朝が寝室に光りを射す頃、起こした体は少しだるく、手をついている柔らかいシーツにまた吸い込まれてしまいそうだ。
”やはり慣れないな。”
シーツの誘惑に襲われて思い返すのは昨夜の行為。
隣で安心しきった寝顔を見せる彼女をコワシタクテ、自分だけのものにしたくて、何時間抱き続けただろうか。
激しく打ち付けた腰が早くも疲労痛を伴っている。
本当は翌日会議があるからと早めに寝室へ向かったのに、急な嬉しい訪問者を迎え自分で睡眠時間を削る結果になってしまった。
軽い吐息を吐いて寝がえりを打つ彼女にはまだ暫く朝が訪れないらしい。
長いまつげを強く伏せ、肌は透き通る陶器のように白く滑らかだ。
その髪を指で一筋絡める。
美しい娘、異世界の選ばれし存在。
彼女は聖人か否、それ以上に女神か・・・それとも。
”毒”か。
ここまで他人に自分の感情を乱されること、その存在に意識を攫われることなどかつてなかった。
ウミが他の男といると言うだけで嫉妬するこの心も、仕事で彼女の元に居れない苛立ちも好きで抱えているわけではないし、
方法があるならば取り除きたいと思う。
毎日顔を合わせていたらそんな嫉妬心は生まれないのだろうか。毎日共に居て、夜を過ごしたら苛立ちは消えるのだろうか。
だが実際、ウミがセフィーロを訪れるのはそう頻繁なことではないし、それを強要するつもりはない。
”出版社での仕事”とやらが楽しいらしく、その楽しみを奪ってまでこちらの世界に留めておこうとは思わない。
これから何年もしたらこの関係はどうなるだろう。
不変か、もしくはもう顔を見れなくなることがあるかもしれない。
差し込む太陽の温度が部屋中を満たす頃、目を開けた女神は視線を私に合わせ逸らそうとしない。
ウミのいつもの癖だ。彼女の意識がすでにはっきりしているのか、まだ夢見心ちなのか未だに察しがつかない。
ずっと絡めいじっていた青い髪を返し、額にキスを落とす。
片方の腕で引き寄せる細い体、耳に、首筋に口づけをして、胸元で少しため息をついた。
後悔のため息ではなく、願いのため息を一つ。
「クレフ?どうしたの、どこか悪いの?だったらお薬ー」
言いかけたところで手を伸ばした秘部は昨日の余韻でまだ湿り気を含んでいた。
「え、クっ、クレフ!・・・・んぅ、あぁっ!」
この声も毒。頭の横に腕をついて彼女の上に覆いかぶさる。その鳴く声をどうにかしたくて無我夢中で口づけた。
いきなり侵入した舌に反応して、ウミの体が跳ねた、その隙に腕を腰にまわし体を包み込む。
片手で胸の突起を優しく撫で、下部では指で出し入れを繰り返すうちに溢れ出るソレを滑らせる。
「ぁあ・・・ん、だ、だめぇ。」
薬なんていらない。
今のこの幸せが続くならば
『毒』に侵されるのも悪くない。