Piece of Days

久しぶりにこの重い雰囲気が家中と私を包んでいる。
ピシッと今にも亀裂が入りそうな空気に私は背中を丸めて自室に閉じこもる。
一歩でも外に出たら凍り付いてしまいそうだ。

原因なんて毎度のことくだらないこと。それも笑ってしまうようにくだらないこと。


原因はどうあれ、クロロとの喧嘩を乗り切るには相応の覚悟がいる。














前回の喧嘩はもう2年以上前のことだ。
あの時の原因は、誰が消し忘れたリビングにある暖房のスイッチを消しに行くか、だった。
すでにベットに入っていた私達はパーティ帰りで疲れきっていて、もう一度起き上がるなんてお互い御免だった。

最後にリビングを出たのは私だったけれど、暖房のスイッチを無駄に入れたのはクロロなんだから、私はクロロが行くべきだと主張した。
結局クロロを説得できなかった私は、最終的にクロロに枕を投げまくって、暴言を吐きながら責任を擦り付けた。
クロロの機嫌を悪くするには十分すぎるほどの、そして女性が吐くには酷すぎる暴言だったのは認めるが、あれはクロロが消しにいくべきだったという意見は2年たった今でも変わらない。




今回の喧嘩はあの時よりももっとクダラない事が原因なのだ。


こんな話をかつての同僚にしたら大笑いのネタにされるだろうから言わないでおこう。








グラタンに入れたのがブロッコリじゃなくてほうれん草だったのが喧嘩の原因なんて、

こんなコトをまともな喧嘩に発展できるカップルは、もしかしたらこの世界に私とクロロだけかもしれない。















END